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韓国家族関係登録一覧

韓国戸籍(家族関係登録簿)整理事例。嫡出子を非嫡出子として申告したいとの要望④(LAST)。

前回に続き】

私の〝残酷な宣告〟になすすべもなく途方に暮れていた<鄭>さんに私が提案したのは、

①法律に則り、これまでの経緯通りに、婚姻、出生、離婚と韓国に届出ること。ただしこの場合、前夫の協力(韓国領事館への同行)が必要となる。

②前夫との接触を回避するため、日本の裁判所で調停離婚を申し立て、その決定により前夫との離婚を韓国に認めさせること。

そして、③韓国の前夫との離婚をあきらめ、韓国戸籍(家族関係登録)上はそのまま前夫と結婚した状態のまま放置すること。

でした。
<鄭>さんからの、「何とか前夫とのかかわりあいを避けたまま、長女のパスポートを入手することは不可能でしょうか?」との問いに、私は最にのこう言い放ちました。
『ないことは無いです。ただ、今後もし長女が日本に帰化しようとしたり、長女の出生について前夫からクレームがついた場合、苦労されるのは長女自身ですよ。』
しばらく黙っていた<鄭>さんは、『少し考えさせてください。』と言って帰っていったのでした。

最近、このようの「離婚にともなう子の出生についての難儀な相談」が増加しています。
ポイントは、日本の役所へ離婚届を出したのが「2004年9月20日」より前なのか後なのか。
運命の分かれ道なのです。

韓国戸籍(家族関係登録簿)整理事例。嫡出子を非嫡出子として申告したいとの要望③。

前回に続き】

離婚届の時に役所の職員が言っていた『意味深な言葉』とは、「便宜上離婚の意思があるものとして離婚届は受理しますが、本国ではこの離婚届は認められませんよ」と言うもの。
長女の韓国留学のためには、韓国籍のパスポートが必要となります。
そのため<鄭>さんは、韓国戸籍(家族関係登録)整理を専門に扱う当事務所を訪れます。
<鄭>さんの相談を聞いていた私は、残酷なようですが次のような宣告をします。
『離婚時に役所の方がおっしゃていた〝意味深な言葉〟はまさに今回のようなケースを慮っての言葉で、要するに、長女のパスポート取得の前提として必要となる韓国戸籍(家族関係登録)整理には、まず、①韓国に戸籍のある<鄭>さんと前夫<朴>さんが結婚した事実を整理し、②次に長女の出生を届出、そして最後に③前夫との離婚と、3件を順番に整理しなければなりません。しかしながらこの時、韓国の戸籍(家族関係登録)窓口(在外国民登録事務所)では、2004年9月20日以降の在日コリアン同士の日本の役所窓口における協議離婚届出を認めないため、前夫との離婚をもう一度しなければなりません。すなわち、韓国の形式に則って、二人で領事館へ出頭して離婚申告をし、領事の確認を求め、その後数カ月後に韓国の家庭法院(家庭裁判所)の確認を終えてからの領事館からの呼び出しに応じなければならないのです。』
私の説明を聞いていた<鄭>さんの顔からみるみる血の気が引いているのが、その顔色からはっきりとわかったのでした、、、

【その4へ続く】

韓国戸籍(家族関係登録簿)整理事例。嫡出子を非嫡出子として申告したいとの要望②。

前回に続き】

韓国政府は自国の在外国民が居住地国においてその国の形式に従った離婚届(申告)を行う場合でも、本国の形式的要件に合致しない場合はそれ自体を適法な手続きとして認めないとの要望を出しました。
これは、日本に多数居住する在日コリアンに向けられたものと考えられます。
2004年9月20日をもって、在日コリアン同士の日本の役所窓口における協議離婚届出を原則認めないよう、在外公館より日本の役所宛に文書が送付されました。
この日を境に、在日コリアン夫婦の日本の役所での協議離婚は事実上正当なものとはみなされないようになりました(一部の役所ではこの日以降もしばらくの間は協議離婚届を受理していた事実も散見される)。
どういうことか説明すると、例えば、
①在日韓国人男性<朴>さんと在日コリアン女性<鄭>さんが日本で結婚し(1998年日本で婚姻届出)、
②夫婦の間に女の子が生まれ(2000年日本に出生届出)、
③別居の末、2004年10月1日に協議離婚に合意し離婚届出(同日日本の役所で離婚届を提出)
しかしこの時、③の届出を行う際、日本の役所窓口職員から、「便宜上離婚の意思があるものとして離婚届は受理しますが、本国ではこの離婚届は認められませんよ」と意味深な言葉を投げかかけられます。
一抹の不安を抱えるも、『金は稼ぐが暴力を振るうDV夫』と少しでも早く離婚したかった<鄭>さんはそのまま離婚届を提出。DV夫との一切の縁を切って日本での再起を目指して独立した生活を長女とともに歩み始めます。
離婚後、日本の役所からは申請により児童扶養手当も支給され、<鄭>さん母子には貧しいながらも平穏な暮らしが訪れたのでした。しかし、子どもが大学進学(韓国の大学への留学)を目前に控えたときに起こったある出来事から、離婚届の時に役所の職員が言っていた『意味深な言葉』の意味をはじめて思い知らされることとなります。
【その3へ続く】

韓国戸籍(家族関係登録簿)整理事例。嫡出子を非嫡出子として申告したいとの要望。

在日コリアンもれっきとした〝韓国人・朝鮮人〟として扱われる事実については本ブログでも散々お伝えしたところ。
身分上の手続として日本人と大きく異なるのが離婚についての届出です。
日本と違って韓国では、「届出書一枚出せば離婚」とはならないのです。
朝鮮に至ってはそもそも協議離婚自体認められません。
そうすると在日コリアン同士の夫婦はその国籍欄が韓国であれ朝鮮であれ、日本の役所で離婚届を提出するだけでは離婚は成立しないのでしょうか?
これの疑問にぶつかることが最近特に増えています(相談が多いです)。
これには、このブログのタイトルにある夫婦間に生まれた子どもの出生についての韓国戸籍(家族関係登録簿)整理が大きくかかわるのです。【次回へ続く】

在日コリアンで朝鮮籍の方が日本に帰化する際に一度韓国に国籍を変更する必要があるか?

タイトルにあるような質問を度々受けます。

それもそのはず、朝鮮籍(特別永住者証明書上の国籍欄が「朝鮮」と表示されている方)で日本に居住するうえでおいてはみなし再入国が認められないこと、韓国領事館に行くとそれこそ「人間扱いされないこと」など不便が多いです。

日本は朝鮮と国交を結んでおらずそもそも国家として認めていませません。

また韓国ではムンジェイン大統領になってから扱いはだいぶ柔らかくなったとはいえ、休戦中の敵対国であることには変わりません。

そのような理由から、在日コリアンで朝鮮籍保有者が日本に国籍を変えるためにまずは韓国籍を取得して、ワンクッションおいて日本に帰化すべきだと考えてしまうのは致し方ないことだと僕も思います。

そのために、わざわざ韓国の戸籍(家族関係登録)を整理して韓国のパスポートまで取得された方も知っています。

ただし、これは必須ではありません。

実際に朝鮮籍からダイレクトに日本国籍取得のための帰化申請に臨まれる方も沢山いらっしゃいます。

また、韓国籍の方で韓国の戸籍(家族関係登録)に自分の名前が載ってなかたっり、中には韓国での親子関係が日本のものと違っていたりと、これを奇麗に直す必要性を感じていらっしゃる方も多いようですが、どこまですればよいかなど、事前の相談をちゃんとした専門家へアクセスして行うことが賢明であると思います(法務局へ直接行っても親切に教えてくれます。が、行くたびに窓口担当者が分かるのでそれがネックです。)。

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