朝鮮国籍一覧
『分断国家の弊害』と『思い込みが醸し出す哀愁』
- 2017.10.01(日)
- 国籍・家族関係登録(戸籍)
隣で70代と思しき男性二人が次のような会話をしていた。
男性A: 家族がみな韓国籍に変えようとしている。どのくらい手間がかかるのかな?
男性B: 今は変えられないよ。国籍の選択はそうたやすくできるものではないから。
「それは間違いですよ。」と言ってあげたかったけど、何せ他人の会話なのでそうもいかない。
男性Bは大きな勘違いとしている。それだけではなく、間違った情報を公然と流布してしまっているのです。
この男性二人は話の内容からどちらも在日コリアンでしょう。
分断国家のいずれもが相手方の国家を認めておず、在日コリアンは皆『韓国人』であり『朝鮮人』でもあるのです。(両国とも朝鮮半島全域を〝自国〟と定義しています。)
在日コリアンは日本の国での国籍表示(現在は特別永住者証明書上、2012年までは外国人登録上の国籍)を自身の国籍であると勘違いしているのです。
そもそも国籍とは国籍国が決めるものであって、日本人ではない在日コリアンの国籍を決めるのは日本の住民票でも外国人登録でもないのです。(アメリカ人が何人であるかを決めるのはアメリカ国、日本人が何人であるかを決めるのも当然日本国です。)
それすらわからない(そもそも朝鮮学校などでは教育しない)在日コリアンなのだから、分断した母国の国籍を後生大事に維持している意味があるのだろうかと、日々疑問が湧いてくるのです。
70年もの長きにわたり日本で外国籍を維持している男性二人の会話に、虚しさを感じる僕なのでした。
朝日新聞の投書で朝鮮高級学校の裁判について触れられていました。
- 2017.09.25(月)
- ただいま休憩中・・・ , 国籍・家族関係登録(戸籍)
金曜日の朝刊の投書欄に、少女と美容師の何気ない会話について少女の〝ある想い〟について描かれていました。
日本に複数ある<朝鮮学校>に通う生徒や卒業生たちは、自分たちの存在が当然のように日本の中で浸透していると錯覚しているという内容。
在日コリアンである僕も経験があるのですが、以前東京で部屋を借りようとした際、<韓国籍>ということで『保証人は必ず日本人の方』という条件が付いたのです。
それまで、大阪の在日コリアン密集地である生野区から出たことがなかった僕は〝まさか〟という思いで、『イヤイヤ在日コリアンですから。』と言ったのですが、家主さんはキョトンとしていたのです。
『そうか、彼らにとっては在日コリアン(特別永住者)もニューカマー(新規渡日者)も同じなのだ!』と再認識させられた瞬間でした。
話は変わりますが、少女の投書の最後に朝鮮高級学校の高校無償化裁判のことが述べられていましたが、少なくとも僕が接した東京の家主さんは民間人、少女ら、朝鮮高級学校の生徒が相手にしているのは〝国〟であって、歴史的背景も含めて、その存在を知らないとは言えないのではないでしょうか?
ムンジェイン大統領が発した指示の履行状況が知りたい。
- 2017.09.04(月)
- 国籍・家族関係登録(戸籍)
韓国のムンジェイン大統領が会見で「朝鮮籍同胞の韓国渡航の正常化」を指示した報道に接しました。
私の知人が、誰かがフェイスブックにアップされた動画を送ってくれて知ったのですが。
韓国はアメリカ同様大統領制で日本と違って決定から実行が早いです。
李明博、朴槿恵と違い北韓との対話重視の姿勢を見せるムンジェイン大統領の指示に、在外公館の職員はすぐに対応してくれるのでしょうか?
<朝鮮籍>同胞の韓国渡航が遮断されて長くなるが、その間、<朝鮮籍>の同胞数は激減したと知る。
マイノリティーの中のマイノリティーである<朝鮮籍>同胞に、同族の国家だけでも手を差し伸べて欲しいものだ。
在日コリアン離婚事情(ケーススタディー)
- 2017.09.01(金)
- 国籍・家族関係登録(戸籍)
日々の業務で疑問に思っていたことについて自分なりに決着がついた。
①韓国籍女性と朝鮮籍男性が2000年に結婚し、
②二人の間に子供が生まれ、
③2005年に離婚した。
上記のケースで
④2017年9月1日に子供の出生を韓国へ届け出る場合、
日本の役所に提出した①と②と③の届出が韓国で有効な届出として扱われるかどうか?
結果は、
①=有効
②=有効
③=有効な届出とならない。
すなわち、子供の出生を届出るために夫婦は婚姻中の夫婦に戻り、離婚するためには日本の裁判所へ調停離婚を申し立てなければならない。
意外だったのは、韓国の戸籍先例で在日の「朝鮮籍」者も韓国国民だと認めているところ。
昔僕が朝鮮籍だったころ、韓国領事館で同様の主張をするも職員に全く相手にされなかったことが思い出される。
コリアNGOセンター主催の韓国国会議員を招いた意見交換会に参加しました。朝鮮籍者の韓国渡航問題含め、在日コリアンの熱意ある意見が多数交わされました。
- 2017.01.14(土)
- 国籍・家族関係登録(戸籍)
しばしばマスコミに登場するコリアNGOセンターと言う団体がありますが、仕事上でも個人的にも長くお付き合いさせていただいています。
昨日、大阪に立ち寄られた韓国の共に民主党(ともにみんしゅとう、더불어민주당)所属議員を招いて、在日コリアン(特別永住者、ニューカマー問わず)との意見交換会が開催された。
NGOセンターからお誘いを受け、親しい友人と参加させていただいた。
釜山市庁前に設置された少女像の問題や慰安婦問題、ヘイトスピーチの問題や在日高齢者たちの福祉問題等、国内外の様々な問題で議論が交わされたり韓国政府への要望が伝えられた。
中でも僕が気にかかったのは、在日コリアンのうち朝鮮籍者の韓国渡航問題について。
現在野党の共に民主党が政権政党であった時代(金大中、廬武鉉時代)には、ほぼ100%認められていた朝鮮籍者(조선적)の韓国への渡航は、現在よほどの理由がない限り認められていないのが実情だ。(僕の知る限りでは韓国政府から招聘された場合等、特別な理由がなければ一般個人は韓国へ行けない状態である。)
これについてマイクを持った議員さんからは、「自身が所属する共に民主党が政権を担えば、以前のように朝鮮籍者も韓国へ自由に往来が可能となるようになるのではないか。」とおっしゃっていた。
朴槿恵大統領の次に誰がなるにしても、同じ民族同士のいわれない差別だけはもう止めてもらいたいものだ。
在日コリアンの中には、自身の国籍を<朝鮮⇒韓国>へと変える方が多いが、これがスムーズにいかないなら、いっそのこと<朝鮮⇒日本>へと国籍を変えた方が良いのではと考える方が多いことを仕事がら把握している。
同族間のそれも国外での足の引っ張り合いはなくすのが良いに決まっている。
あと、その場で僕の発言の機会はやってこなかったが、ああいった場で母国語によるスピーチが淀みなくできるように、もっと語学力のスキルをアップさせようと誓ったのであった。
お終い。