相続・遺言一覧
年金事務所に物申す!
つい最近、亡くなった母の未支給年金の受け取り手続で年金事務所とやり取りをした。
以前、年金事務所での相続絡みの相談があって、「亡き父との親子関係の証明書類として韓国の家族関係証明書を出せと言われた」と言っていた在日コリアン(特別永住者)の言葉を思い出し、日本の役所から取り寄せた『出生届記載事項証明書』を提出した。
すると案の定、「お母様との親子関係の証明書類として韓国の家族関係証明書を提出してください」と言うではないか。
僕は次の『事実』を年金事務所の職員に伝えて、後日了解を得た。
①在日コリアン(特別永住者)である私は日本で生まれ育った
②在日コリアン(特別永住者)はその必要性の無さから本国に身分登録を持たない者が多い
③日本で一番の在日コリアン(特別永住者)密集地域にある今里年金事務所の職員たるもの、上記事実を知らないとは言わせない
④それを承知で韓国の家族関係証明書を一律に要求するのはナンセンスで配慮のかけらもない
⑤『出生届記載事項証明書』は日本の役所が交付した公の証明書類と理解する
聞いてくださった職員の方には大変「耳の痛い意見」であっただろうが、これを機会に在日コリアン(特別永住者)を含めた<すべての市民に優しい年金窓口>となることを期待したい。
(それにしても、最近の僕の口調は職業病なのか言葉に優しさがまったくなくなっていくようで怖い。)
遺産相続について、昔バイト先の焼肉屋店主から受けた質問を思い出したこと。
高校時代、過酷な練習に挫折してクラブ活動を辞めた僕は、好きなバイクを買うためにせっせとバイトをしていた。
たぶん10以上は軽く超える色々な業種を、バイトを通じて経験したと思う。
面白かったバイトといえば祭りの露天(テキヤ)だ。
当時、大人の世界はバブルの全盛期。1個500円のサザエが飛ぶように売れていた。
もちろん支払いは全て1万円札。
一緒にバイトしていた友人の中にはそのお釣りをちょろまかしていた人間もいたと後で知った。
バイトの中で一番長く続いたのが焼肉のメッカ大阪鶴橋にある焼肉店だ。
当時、その店で一緒に働いていたお姉さん(たぶん20代後半くらいのとても綺麗な方)の存在が僕をその店に留めさせたことは言うまでもない。 (イヤだったのは、パチンコで勝った友人がその店に食べに来ること。学生服で生ビールまで注文するとは、、、)
その店の店主はガツガツの商売人気質で、幼かった僕も学ぶことが多かった。
空きの時間には社会勉強じみた話もしてくれていたように記憶している。
印象に残っているのは、『お前の親父が死んで沢山の借金を残したとしたらお前ならどうする?』と唐突に聞かれたこと。
そのとき、僕の隣には大学生の男性アルバイトも一緒に居た。
僕は開口一番、『そんなもの払う必要は無いんじゃないですか。親父の尻拭いを何で子どもがするんですか?』みたいな返事をした。
一方、隣の大学生は少し考えて、『自分が背負って払っていかなければいけないと思います。』と僕とは正反対の回答。
二人の答えを聞いた店主は、なにやら納得いったという顔でニヤニヤしていた。
父親のいなかった僕は、どうしてその大学生がそんなことを言ったのか全く理解できなかった。
イヤ、父親がいようがいまいが、やはり当時の僕が浅はかだったのかとも思う。
まかりなりにも少しばかり法律を学んだ今同じ質問をされたとしても、当時と答えは変わらないのだが。
遺産相続には『放棄』や『限定承認(プラスの財産の範囲でのみマイナスの財産を受継ぐこと)』が認められています。
あなたなら店主の質問にどう答えますか?
お終い。
相続をはじめ、ここ数週間の仕事は亡くなった方の手続に関するお手伝いばかりなこと。
- 2013.06.30(日)
- ただいま休憩中・・・ , 戸籍・住民登録 , 日本語 , 相続・遺言
この仕事をしていて不思議なのは、時によって似たような仕事が集中的にやってくることだ。
昨日のブログでも紹介したが、今僕の事務所で一番多いのが在日コリアンが関係する相続についてのお手伝いだ。
何より複雑で大変なのが、未整理のまま放置されている本国(韓国)の家族関係登録(旧戸籍)に関する謄本の入手やそれに基づいた相続人の確認作業、それに一番苦労するのが日本語訳。
被相続人から相続された不動産の名義を変更する際に、韓国籍の在日コリアンは法務局へ本国の身分関係を証明する書類を添付するのだ。
もちろん、ハングルで表記されているものについては日本語訳を付けるのが基本。
司法書士さんや弁護士さんからその件での依頼が来るのだが、その作業はほとんど事務員さんへまる投げ状態。
彼女の『目』と『肩』と『神経』を酷使させていることに多少の罪悪感を持ちながらも、やって来た仕事は当然のようにありがたく請け負っている。
中でも、『縦書き・手書き』の除籍謄本は強敵である。
当時の役所の職員さんが、癖のタップリ利いた漢字&ハングルで枠からはみださんばかりの勢いで書き上げた代物だ。
ビッシリ詰まった文字を眺めながらの事務員さんのため息がこだまする、、、
見ていて面白いのが、昔誰かに教わったことのある『創氏改名』の痕跡がありありと記載されていること。
『あ~、ホンマにこんな目にあってたんやな~』と感慨深く思う反面、もう遠い昔の出来事だと何も感じない自分もいる。
不思議に思うのは、創氏改名によって無理やり付けられたと言うその日本名を、日本での生活手段として使用している彼らの子孫(僕ら)がいくらでも居ること。
(ちなみに僕の日本名:通称名は近藤。その由来は10数年前のNHKの大河ドラマである。創氏改名とは何ら関係ございませんが。)
何とも複雑怪奇な『歴史問題』なのであった。
お終い。
本当に複雑な在日コリアンの相続問題について。
最近スポット的に増えてきている業務として、在日コリアンの相続問題についての仕事があります。
依頼の形はさまざまで、司法書士や弁護士経由で来る翻訳のお手伝いや相続関係を証明する本国(韓国)書類の収集、また相続放棄や不在者がいる場合の対処の仕方を教えて欲しいなどのメールや電話、、、
在日コリアンの1世の方たち(僕らのおじいさん・おばあさんの世代)がお亡くなりになり、それまで一生懸命に働いて成した財産をその子どもや孫、妻や兄弟達が相続するのだ。
亡くなられた方の意思を尊重すべく、手続を慎重に進めなければならない非常に責任の重い仕事だと思う。
ここでブログ読者の方にちょっとしたアドバイスをしようと思う。(ご存知の方も沢山いるでしょうが、知らない方のために書きます。)
まずは相続に適用される法律について。
被相続人(亡くなった方をこう呼びます。)の死亡時の国籍が韓国であれば基本的に韓国民法がその相続について適用されることになります。
つまり、ある在日コリアンのハラボジが遺言もせず、日本に沢山の不動産や預貯金を残して亡くなられた場合、残された子や妻は韓国の民法の定めに従って相続をすることになる。
韓国の民法と日本の民法は当然ですが全く同じ規程をおいていません。
例えば相続人と相続割合をとってみても、いくつかの違いが見られます。
ここで具体的な事例を出すと無駄に長い文書になってしまいますので割愛しますが、一つだけ簡単な例を挙げれば、、、
ある家庭で祖父が亡くなりその方に子が二人(A、B)と妻、それに妻以外の女性との間に生まれた認知した子(C)がいたとすると。
[日本の民法による相続割合]
子A:2/10、子B:2/10、妻:5/10、認知した子C:1/10
[韓国の民法による相続割合]
子A:2/9、子B:2/9、妻:3/9、認知した子C:2/9
このような割合で法定相続分が決まる。
日本の民法に比べて韓国民法は子の数によって配偶者の取り分が変わってきます。
また、嫡出子と非嫡出子で取り分の差が無い韓国民法の方が現代的だと思いませんか?
これ以外にもいくつか相違点があるため、まずはどこの国の法律がその相続に適用されるのかを知ることが大切です。
素朴な疑問に答えます。~その3:債権取立の内容証明郵便について~
当方、行政書士事務所ではありますが本当に様々な相談がやってきます。
その中でも割と多いのが借金についての相談です。
借金についての相談はだいたいが次のようなもの。
1 借金を整理したい(債務整理や破産について)
2 借金を抱えたまま父が死んだ(いわゆる相続の相談)
3 仕事上の未払い金若しくは個人的に貸した金が回収できない(取立ての相談)
この中で行政書士が業務として関与できるのは2か3だと思います。
僕は基本的に事務所へ相談があった場合は何らかの形でその解決に係わるようにしています。
わざわざ僕の事務所へ依頼されたお客様とは何かの縁で繋がっているのだと思うし、その様な方と繋がっていたいと思うからです。
だから、行政書士の業務範囲外の依頼についてもどのような資格者に依頼すべきかを教えてあげるようにしています。
話を元に戻しますと、借金や未払い代金の取り立てで一番最初に行うのが『催告』の意思表示です。
催告とは、相手方に一定の行為をなすよう請求することを意味し、借金の取立ての場合は『いついつまでに借金を返済すること』を促す行為を言います。
この催告は電話やメール、または直接言葉で告げることも可能ですが、催告を行ったことの証拠を残す意味で一般的には『内容証明郵便』を利用することが広く知られています。
正直、僕も業務を請け負って直接内容証明郵便を送るまでは、どれだけの効果があるのか疑問を持っていました。
しかし、今までの経験から言うと、内容証明郵便を送って無視されたり連絡が来なかったことはただの一度もありません。
勿論、書面作成代理人として事務所の名と行政書士である旨を告げていることが大きな効果となっていることと思います。
債権にはそれぞれ一定の時効が法定されています。
時効を援用されて回収すべきお金を取りはぐれないように、安い料金で回収できる可能性のある内容証明郵便による催告はお勧めできるアイテムです。
※マメ知識:法制審議会の民法債権関係部会がまとめた民法改正中間試案の主な論点の内、時効期間について、「医師の診察代は3年」、「料理店の飲食料は1年」など職業別に1~3年と区分している『短期消滅時効』を廃止し、時効期間を5年に統一する案など複数案が併記されているようです。