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2012年記事一覧

7月9日に向けて。⑤

このシリーズの③で紹介した『みなし再入国制度』における素朴な疑問について。

文字通り、7月9日以降は再入国許可を得ずとも、外国人が日本から出国しても一定期間(1年若しくは2年)内であれば再入国が可能になります。

そこで気をつけていただきたいのが次のようなケース。

(以下、物語調)

在日コリアンで特別永住者のスニは、念願のカナダ留学へ向けて有効期間10年の韓国パスポートを手に関西国際空港で搭乗手続きを行っていた。

留学期間は6ヶ月で、6月30日に日本を発ち年末に帰国する予定だった。

スニは事前に、7月9日からスタートする新しい在留制度によって、それまで必要とされた再入国許可が不要になることを知っていたので、数年前、韓国旅行に行った際に取っていた再入国許可の期限が8月15日となっていることなど気にも留めないでいた。

しかし、いざ出国手続を行ってみると問題が発生した。

搭乗ゲートで入国管理局職員から『あなたは8月15日までに帰国される予定ですか?』と質問されたスニは、『いえ、クリスマス前に日本へ戻る予定です。』と笑顔で答えた。

すると入管職員は、『それでは再入国許可の期限に間に合わないので、再入国許可を取り直してください。』と言ったのだ。

スニは、職員が新人なのかと考えて、『あの~もしかして、みなし再入国制度のこと、ご存知ないのかしら?』と、相手を小バカにしたような口調で嗜めた。

しかし、『ご存知なかった』のはスニの方だったのだ。

みなし再入国制度がスタートするのは7月9日であり、7月9日以降に有効なパスポートと在留カード(若しくは外国人登録カード)を所持する外国人が出国時にその意思を表明して初めてみなし再入国が認められるのである。

スニの勘違いは、『7月9日より前に日本から出国した場合でも、出国の時点で有効な再入国許可を所持し、かつ帰国時(再入国時)に7月9日を過ぎてさえいれば、例え出国中に再入国期限が過ぎてもみなし再入国対象者として無事に帰国できる』と間違って認識していたために生じたのだ。

入国管理局職員の説明を聞くスニの表情は恥ずかしさで真っ赤になっていたが、もしも間違ってそのまま出国してしまっていたら、スニは何らかの方法で日本に戻ることはできたとしても、もう2度と『特別永住者』としての身分を取り戻すことができなかったのであった。

お終い。

7月9日に向けて。④

本日は中長期在留者の在留期間の延長について。

『在留期間の上限が最長「5年」となります。』

と言っても、特別永住者や一般の永住権者にはあまりピンとこないことでしょう。

これまでの「在留期間」はほとんどのビザ(在留資格のこと)で「1年」若しくは「3年」と定められていました。(特定活動という在留資格は5年もあったが)

しかし、今回の改正法施行により、各在留資格に伴う在留期間が次のように追加されます。

A 「技術」、「人文知識・国際業務」等の就労資格(「興行」、「技能実習」を除く)=5年、3年、1年、3ヵ月

B 「留学」=4年3ヵ月、4年、3年3ヵ月、3年、2年3ヵ月、2年、1年3ヵ月、1年、6ヵ月、3ヵ月

C 「日本人の配偶者等」、「永住者の配偶者等」=5年、3年、1年、6ヵ月

A及びCにおいて、これまでは3年とされていた最長の在留期間に5年が追加されています。

ただ、気になるのは、Cのいわゆる『結婚ビザ』に6ヵ月が追加されたことです。

許可するには疑わしいケースの様子見で、この6ヵ月が乱発されはしないかと心配しています。

もちろん、イミテーションの結婚ビザは論外ですが、ここ最近は特に在留手続における入国管理局の審査が厳格で慎重さを増していると感じ、本当の夫婦までもがあらぬ疑いをかけられて、許可までの時間が長引いたり法定外の追加資料を要求されたりと不利益を受けています。

あまり極端な取扱がなされないことを、個人的には望みます。

※他にも、新たに「3ヵ月」の在留期間が設けられています。在留期間が「3ヵ月」の場合、在留カードは交付されません。

7月9日に向けて。③

新しい在留管理制度の施行にともなって外国人登録法が廃止され、特別永住者の方には外国人登録証明書に代わって『特別永住者証明書』が交付されます。

大きな変更点としては、特別永住者を含む外国人の方も日本人同様住民基本台帳制度の対象になります。

すなわち、これまで日本人の家族とは別々にしか表示されなかった外国人配偶者等も日本人の家族と同じ住民票に表記されることとなります。

また、特別永住者証明書には常時携帯義務が課されません。

ただし、警察や入管職員等から提示を求められた場合には、家に取りに帰るなどして、提示する義務は課されます。違反すると処罰されます。

では、例えば、大阪の人間が所用で東京に行った際に警察官から職務質問を受けて証明書の提示を求められた場合で、証明書を大阪の自宅に置き忘れた場合であっても、処罰の対象とされるのか。

入国管理局のホームページでは、『その場合は、提示を拒否する旨の意思を外形的に明らかにしたような場合や、合理的期間内に敢えて提示をしないような場合等、その意思をもって提示を拒んだといえる場合に該当しないものとして、処罰されない可能性がある。』等と曖昧な表現で解説されていますが、要するに、処罰される可能性もあると言うことです。

7月9日以降、一定の期間に限って、現在の外国人登録証明書が『特別永住者証明書』とみなされますので、外国人登録証明書の常時携帯義務は解かれます。

今までの外国人登録証明書を直ちに『特別永住者証明書』に替える必要はないのです。

また、通称名(一般的には通名といいますね)については、これまでの外国人登録証明書に通称名を併記できていたのと異なり、特別永住者証明書には記載されません。

本国名のみの記載になります。

(通称名は在留管理に必要な情報ではないとの判断のもと、法務省において通称名の管理(在留カード等への記載を含む。)をしないこととしたのです。)

変更届出などの手続は、従来どおり市区町村の窓口で行うことになります。

各種の届出等については、基本的には本人が行うこととし、場合によっては弁護士や行政書士または同居の親族が、本人に代わって届け出る場合を認めています。

最後に、改正法施行時に特別永住者の方が所持している外国人登録証明書は、先に述べたとおり、一定の期間は特別永住者証明書とみなされることになるため、みなし再入国許可による出国が可能です。(前回も言ったとおり、有効な旅券所持者に限る。)

7月9日に向けて。②

これまで日本に在留する外国人に必要されていた『再入国許可』が、本年7月9日以降は不要になります。

といっても全ての場合(出国)で不要となるのではなく、例えば1年(特別永住者は2年)を超えて出国する予定がある方は、これまでどおり再入国許可を受けて出国する必要があります。

【これを間違ってしまうと大変なことになりますのでくれぐれもご注意ください!】

すなわち、1週間や1ヶ月くらいの期間、旅行などの目的で海外(日本国外)へ出られる外国人は、再入国許可を得ずとも日本への再入国が許されることとなるのです。

また、再入国許可の有効期間も、保有する在留期限を超えない範囲内で『最長5年』となります。

在日コリアンなどの特別永住者には在留期限がありませんが、再入国許可の有効期間はこれまでの4年から6年に変わります。

在日コリアンの方でで気をつけないといけないのは、この度の『みなし再入国制度』では、

「有効な旅券及び※在留カード(特別永住者については※特別永住者証明書)を所持する外国人で出国の日から1年(特別永住者は2年)以内に再入国する場合には、原則として再入国許可を受ける必要はなくなります。」

と、入国管理局のホームページで案内されているとおり、有効な旅券とみなされない『朝鮮』旅券所持者は対象外となっている点です。

※『在留カード』、『特別永住者証明書』とは、外国人登録証明書に代わって登場する新しい在留制度による外国人の身分証。(次回以降ブログにて解説予定。)

7月9日に向けて。

このブログや事務所のホームページ(shon.jp)、フェイスブックページでも何度も案内しているとおり、本年7月9日に日本の改正入管法が施行される。

そのせいなのか、特に最近の相談で多いのが、『結婚ビザ』で在留中に離婚した外国人からのものだ。

結婚ビザ(そもそもビザと呼んでいるが正確には在留資格のことをという)は、『日本人の配偶者等』、『永住者の配偶者等』、『定住者』に分類できるが、今まではこれら結婚ビザで日本で生活していた外国人が配偶者(夫や妻)と離婚しても実質的に結婚時に得ていた在留期限まではそのまま日本にいることができた。

極端な例で言うと、日本人と結婚して1年の結婚ビザを得た外国人女性が次の更新で3年のビザを許可されたとして、その直後に日本人の夫と離婚したとしましょう。

その女性はその後3年の在留期限が来る直前に別の日本人男性と再婚します。

そうすることで、ビザの期限ぎりぎりに『日本人の配偶者』の身分に戻って次のビザの延長手続きに望みます。

同居実態があり一定の収入の目途が世帯(夫婦)として確保されていると判断された場合、その女性の行ったビザの延長手続きは許可されます。

すなわち、その女性は最初の夫との離婚後3年間、結婚ビザで日本に居ながらそのほとんどの時間を“独身”で過ごしたことになるのです。

このように、これまでの法律では、結婚ビザの許可を与えた外国人が離婚したかどうかを入管側では把握することができませんでしたし、把握できたとしてもよほどのことでない限り問題にはしなかったように思います。

しかし、改正入管法施行により、上記の女性のようなアクロバティックな日本滞在は許容されなくなりました。

改正法によって、『結婚ビザで滞在する外国人が離婚した場合には、まず入管への報告義務が生じ、さらに、離婚後6ヶ月を経過した場合で日本からの出国もせず、また、他のビザへの変更も行わない外国人に対して、入管がビザの取り消しを行えるようにした』のです。

7月9日以降にも上記のような女性が出てくるかとことが予想されますが、今後は『無茶なこと』はできなくなるのです。

※注意:上記に挙げた事例はフィクションであり、そもそも虚偽のまたは偽りによるビザ(在留資格)の取得手続には当事務所では応じられません。

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