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『日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩』

今日は本の紹介をします。 タイトルにある通り、北朝鮮から日本へやってきたある女性が書いたエッセイ(ブログの集約)です。

とても読みやすく優しい文章で、また僕には興味を引く話題も豊富だったので1日で全部読みました。

先ず驚いたのは、日本に来て4年足らず(ブログをはじめた時期)でここまで日本語の文章を上手に書き上げる彼女の潜在能力にです。

更に大学にまで進学するとは、、、(ちなみに僕は高卒です!) 文中、何度も自分自身のことを『ダメな私!』と表現されている作者ですが、これまで平々凡々に日本で生きてきた僕からすると、『そんなことは無い!』、『今までもそして今現在も本当に頑張ってるじゃないか!』と叫びたくなりました。

僕の記憶に残ったフレーズ、 『最初は突然雨が降り出したり、雷注意の呼び掛けがあったり・・・もうダメかなと思ったら、私たちの切ない想いが届いたのか、さっきまでの雨がウソのように上がって、空はからりと晴れ始めました。やった!やった!』 このフレーズを読んで、『君の人生にも、残してきた親戚にも、朝鮮の民衆にも、その様なときが訪れますように。』と願わずにはいられなかったのでした。

感情にむらがある彼女のことを心配しつつ、どうか日本で幸せをつかんで欲しいと思わせるとてもチャーミングな本でした。 お終い。

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東電OL殺人事件で無期懲役が確定していたネパール国籍のゴビンダ・プラサド・マイナリさんに無罪の判決が出された件で。

1997年の事件で当時ニュースなど見なかった僕はこの事件について正直あまり知識が無かった。

ただ、行政書士試験の勉強中に当時の判例を参考書などで良く目にした記憶くらいだった。

しかし、ある本を読んだことがきっかけでこの事件に興味を抱くことになった。

佐野眞一著『東電OL殺人事件』である。

この本では日本の警察の怖さと行進国外国人の日本における地位の脆さについて、とても興味深く描かれている。

10年以上の歳月を掛けて無罪を掴み取ったゴビンダさん。

冤罪によって奪われた貴重な『時間』は帰ってこないが、奥さんと2人の娘さんが待っていた家に帰ることが出来て本当に良かったと思う。

話は変わるがこの本の著者佐野眞一氏は、『あんぽん(孫正義伝)』も書かれたノンフィクションの巨匠と呼ばれる方だ。

『東電OL殺人事件』や『あんぽん(孫正義伝)』を読んで感じたことだが、その取材方法は書くべき対象者について妥協無く徹底して調べ上げた真実にこだわったものであることが伝わってくる。

しかし、最近話題の2人の政治家は、佐野眞一氏について、“抹殺しに行かなきゃいけない”とか“いやしく卑劣で許し難い男だ”などと発言している。

公人としての2人をどのように評価すべきか?

ちなみに孫正義氏は、自身の出自や親族について根掘り葉掘り書かれたにもかかわらず、正々堂々と著者の取材を受けていた。

前述の政治家1人については既に佐野氏が著書を出している。

佐野氏には是非“もう1人の政治家”の本が完成するまで徹底した取材を続けていただきたい。

今日は本の紹介です。(『宿命』よど号亡命者たちの秘密工作)

今僕が読んでいる本のタイトルである。

1970年3月に起きた赤軍派メンバー9人による日本航空機ハイジャック事件。

彼らがたどり着いた行き先は「朝鮮民主主義人民共和国」だった。

この本は事件にかかわった人間達のその後の運命と、その人たちによって運命を狂わされた多くの人々について描かれている。

真実がどこにあるかなど誰にもわからないし知りたいとも思わない。

が、その後惹き起こされる『悲しい事件』の背景を少しでも知ることができるのではと読み進めている。

昔読んだ東野圭吾さんの『手紙』という小説について、最近色んな場面で思い出してしまうこと。

稀代の売れっ子小説家、東野圭吾さん。

生まれも育ちも大阪市生野区で、通っていた中学は僕の家から徒歩1分のところにある。

更に僕が通っているヘアーサロンは、東野圭吾さんの実家後地に建ったマンション1階にある。

僕の妻が彼の小説をよく読んでいたのだが、僕もそれにつられていくつかの作品を読んだ。

(最近映画にもなった『夜明けの街で』は、夫としては身震いするような恐ろしい内容だった。)

その中でも印象に残っているのが『手紙』という作品です。

映画にもなっている作品ですが、テーマとなっているのは(あくまでも一読者の立場でそう感じるのだが)『差別』だ。

そしてもうひとつのテーマは、『差別の連鎖』。

殺人犯の弟が、自分では拭いようもない境遇と自分自身の中の葛藤とを背負いながら生きていく姿を描いている。

この小説を読むまでは、『差別は絶対悪で差別を根絶すべく人間は皆戦わなければならない』などと理想論的な考えを持っていたが、『差別はなくならず、人間が生きていくうえで死ぬまで付き合わなければならないとても怖いもの』だと思うようになった。

今日、ネットで目にした拉致被害者家族の横田夫妻の記事(週刊朝日 2012.5.18号掲載)を見て、彼らの心情を理解するまでには到底至らないが、小説の主人公では無いが、負うべき『責任』について考えさせられたのだ。

加害者、加害者の子、加害国の国民、加害国の海外同胞や団体、、、

お終い。

※ちなみに映画版の『手紙』もとても感動的でお勧めです!僕の好きな俳優(玉山鉄二と山田孝之)と大嫌いな女優(?)が出てます。

あんぽん。

佐野眞一氏が書かれたソフトバンク孫正義社長の伝記。

一気読みしたが、個人の伝記と言うより在日朝鮮人の歴史探訪記の様相だった。

正直期待していた内容ではなかったが、途中で読むことを辞めさせない迫力はあった。

本にも登場する、梁石日氏原作の『血と骨』の映画を観た後の、何とも表現し難い感情を抱いた。

この本を広くお勧めする気にはならないが、唯一“敬愛する”石原都知事様にだけは是非読んでいただきたい。

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