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やっぱり面倒くさい!新しい在留管理制度における在留カードの漢字氏名表記について。(その2)

昨日に引き続き在留カードの漢字氏名表記における面倒について。

ある韓国籍女性(26歳)が、日本に在留する母の扶養を受けて日本で滞在するために在留資格認定証明書の交付を受け日本にやってきた。(ちなみにこの方の在留資格は『家族滞在』である。)

昨日のブログでも紹介したとおり、上陸港で交付される在留カードには英文氏名しか表記されないのでその方が受けとった在留カードにも当然漢字氏名は表記されなかった。

上陸港にて在留カードの交付を受けた外国人は、その時から2週間以内に住所の届出を行う必要がある。(上陸港で受けとった在留カードには住所の欄が『未定』となっているのだ。)

その方は『家族滞在』者として日本で在留する母親の子として住所地の届出を行うべく日本の役所へ出向いた。

勿論、親子であるとの疎明資料を持参して。(ちなみにこの親子は韓国籍のため、領事館で入手した『家族関係証明書』及び日本語訳文を持参させた。)

いざ窓口で住所地の届出を行うと、役所の人間は次のように言ったのだ。

<em>「住所の届出自体は可能ですが、あなたとお母様の親子関係が確認できません。確認できるようにもう一度書類を揃えて出直してください。」</em>

早速僕の下に電話があったので、その場で役所の人間に換わってもらった。

役所の人間の説明はこうだ。

<em>「確かに韓国の『家族関係証明書』をお持ちですが、この方の在留カードには英文氏名しか表記がありませんので、家族関係証明書及びその訳文に記載されたハングル及び漢字氏名では同一性が確認できません。」</em>

ではどうすれば良いかというと。

<em>「先に入国管理局へ出向いて在留カードに漢字氏名を併記してもらって再度窓口までお越しください。」</em>

<em>(あんた、入管がどこにあるか知って言っているのか!外国人が行くには過酷な海の横の過疎地やで!)</em>と心の中で叫びながらも、では家族関係証明書の本人の氏名の部分を英文で表記して出直しますので、それで受け付けてくれますよね!と言って本人達には出直すように指示した。

果たしてこれで認められるかはやってみないとわからないが、一応は役所も対応してくれるようなので後日報告したいと思います。

とにもかくにも、現場では本当に面倒なことが起こっていますよ!

お終い。

『永住者は勿論、特別永住者とて所詮外国人であることに変わりは無い』ということ。

私は在日コリアン3世(祖父母が日本に渡航して来た)ですが、いまだに国籍は日本ではありません。

韓国から最近来られた方からは、『3世代にも亘って日本に住んでいるのに、何故日本の国籍を取得しないのか?』と不思議がられます。

一方、日本の方からは、『孫さん、日本語上手ですね!』と誉められます。

そんな時、私はただ微笑むだけで返事はしません。

今回のブログのテーマは、何世代に亘って日本に住もうが、他の外国人と違って特例が多く認められている『特別永住者』であろうが、『所詮我々も一外国人であるんだな。』と感じることについてです。

新しい在留管理制度の完全実施にともなって、『みなし再入国制度』が始まりました。

これは、①有効な旅券と②在留カード若しくは特別永住者証明書若しくは外国人登録証明書(一部)を所持する中長期在留者を対象に、それまで必要とされていた再入国許可を得ずとも日本から出国して再入国できるように便宜を図ってくれる制度です。※注:一部説明を割愛していますのでご了承ください。

みなし再入国制度の実施に先立って、想定される問題点について私は何度かブログで指摘して参りました。

実は、それらが現実に起きてしまっているのです。

先日もある弁護士さんから、『永住者の方が海外にいる間に再入国許可の期限が過ぎてしまって日本に再入国できないで困っている。どうにかならないか?』との相談をいただいた。(実際は、仮上陸と言って一旦日本に帰ってきている状態。その後の審査で永住者として上陸できるかが決定する。)

では、何故その方は再入国許可期限を過ぎて帰ってきてしまったのか?

弁護士さんの話によると、その方は昨年7月9日以降に日本から海外に一時出国された永住者の方で、日本から出国される際に、①有効な旅券と②外国人登録証明書を所持された上、③1年以内に日本へ帰ってくる予定で出国されたとのこと。

ではなぜその方の再入国は認められなかったのか?

その原因は、僕が懸念していた『みなし再入国を利用するとの意思表示』の失念だったのです。

ご承知の通り、現在は『みなし再入国制度』の登場によりそれを利用した出国者と、長期(1年を超える)の海外出張や帰国日程が定まらない方用に既存の再入国許可制度も利用可能となっています。

そのどちらを選択するかは、日本への再入国を希望する外国人自身の意思にゆだねられています。

今回紹介した方は、自身では『みなし再入国制度』を利用して出国するつもりだったようですが、その意思が本人の失念(うっかり)により表示されていなかったのです。

すなわち、日本から出国する際に記入する再入国用EDカード(再入国出国記録カード)に新しく設けられた『みなし再入許可による出国を希望します』の欄へのチェックを怠ってしまっていたのです。

最悪なのが、この方の再入国許可の期限が出国時には『一定の期間』生きていたことです。(反対に再入国許可の残り日数が1日や2日だと気付いていたはず!)

このチェック一つで、この方の日本での永住権の行方が変わっていたのです。

何とも嘆かわしいことですが、このような事例は今後、否!現在も多数発生していると思われます。

この事例以外にも、再入国許可期限までに帰国できなかったとの理由で特別永住者としての身分を失った方からの電話やメール(多くはアメリカから)が、年に数回寄せられています。

『自分達は外国人なんだ!』との認識を、永住者は勿論のこと、特別永住者の皆さんもしっかり持つ必要があります。

在日コリアンの離婚事情②。

前回のブログでは在日コリアン夫婦(国籍が韓国である夫婦)の離婚手続について記事をアップしましたが、本日は具体的事例をあげて解説して見ます。

[事例]
在日コリアン(韓国籍)のミリョンさんは、2008年9月に同じ在日コリアン(韓国籍)の夫と離婚しました。
日本の役所で離婚届をなかなか受け取ってもらえず難しい説明を受けた後、『申述書』なるものに署名させたれた記憶がミリョンさんにはありました。

ミリョンさん、前夫ともに婚姻届出当時、韓国戸籍(家族関係登録簿)には自身の名前が載っていなかったので、婚姻届は日本の役所にだけ行っていました。
そんなミリョンさんの子供がハルモニと一緒に親戚の住む韓国へ行くことになったので、ミリョンさんは子供の韓国パスポートを入手しようと考えました。
ついでに自身の韓国戸籍(家族関係登録簿)の整理手続を子供のものと一緒に行おうと韓国領事館で相談して見ると、、、
領事館の職員から、『あなたの場合、前のご主人との婚姻と子供の出生までは整理が可能です。しかし、離婚については整理と言う形では手続できません。韓国籍の夫婦は離婚するには夫婦が領事館へ出頭することとなっていますので、ご主人を伴って領事館で再度手続してください。』と言われたのだ。
すなわち、日本の役所で発効される①前夫との婚姻届受理証明書により婚姻についての整理手続を、②子の出生届受理証明書により子の出生の整理手続をそれぞれ行うことは可能だが、③前夫との離婚届受理証明書を持ってしても離婚についての整理手続はすることができないのだ。
前夫との離婚の際に揉めに揉めた経緯があるので、今更一緒に領事館へ行ってくださいなどとは到底頼むことができないミリョンさん。
このまま戸籍(家族関係登録簿)整理を行うと、本国の身分登録上は既婚者となってしまうことから日本で再婚ができなくなってしまいます。
実はミリョンさんには交際中の男性が居て、来年には再婚する予定が。
途方にくれるミリョンさんから相談を受けた僕は、多少手続き的な違和感はあるものの『第3の道』を提示して、その方法で①ミリョンさんの出生と②子の出生についての戸籍(家族関係登録簿)整理を行い、子のパスポートの取得までを滞りなく行ったのでした。
もちろん子供の姓(氏)は父(ミリョンさんの前夫)のものとなりますが、同じ韓国籍の男性と再婚した場合の子の姓の変更についても私の事務所でお手伝いするが可能である旨説明させていただきました。
終わり。

※子の姓について
例えば上記の例で、ミリョンさんが金氏、前夫が李氏の場合、子は李氏となります。(現在は婚姻時に父母どちらかの姓を選択可能。)
父母が離婚した場合、当然子は引き続き父の李氏を名乗ります。
そこで上記のように母が再婚して再婚相手の姓が朴だと、一つの家に3つの姓が存在することになります。
このような状態を解消する目的から、現在では子の姓を変更する申立が可能となっています。

大韓民国臨時パスポート取得。

これまでも何度かブログで紹介している、在日コリアンの戸籍(家族関係登録簿)整理と韓国パスポート取得についての情報。

韓国領事館では、ここ数年、日本の外国人登録が朝鮮となっている在外同胞には韓国旅券(いわゆる臨パス)の発給をしていません。

殊に現政権(イミョンバク大統領)になってからは、朝鮮表示の在外同胞への差別的とも取れる措置は日増しに厳しくなっています。

領事館職員に罪はないのですが、おのずと不満は彼らに向けられてしまいます。

先日も領事館で朝鮮表示と思しき同胞が領事館職員と激しくやり合っていました。

『前はやってくれていたのに、どうして出来ないんだ!』

その方の言葉を聞く限りでは、韓国の臨時パスポートの発給を希望していたのだが、現在はそのような『サービス』は行なっていないとの領事館側の説明に相当立腹しているようでした。

僕が日々の仕事で思うのは、日本の役所では外国人登録の表示が『朝鮮』であれ『韓国』であれ、それをもって差別的扱を受けることは皆無でしょう。(もちろん朝鮮学校の問題はありますが、個人の問題としては無いように思う)

しかし、同じ民族であるはずの『在外団体』などでは、それをもって差別的取り扱いが公然と行なわれて来たのではないのかと感じることです。

(休戦中だから仕方ない!などと軍人みたいな発言をする人もいますが)

悲しくも腹立たしいこのような現実は、祖国が一つになるまで永遠に続くのでしょう。

話が脱線しましたが、現在、韓国領事館では、『朝鮮』表示の同胞だけではなく『韓国』籍同胞についても、本国の家族関係登録簿(旧戸籍)に名前が載っているか若しくは載っていなくとも家族関係登録簿への登載手続に着手したとの確認ができなければ、臨パスの発給を基本的に拒んでいます。

仕事などで急に海外へ行くことが予測される方や子供の留学などが将来予定されている方は、事前に手続をはじめられることをお勧めします。

※注意:このブログの情報は公開日当日時点のものです。くれぐれもご注意くださいませ。

7月9日に向けて。⑤

このシリーズの③で紹介した『みなし再入国制度』における素朴な疑問について。

文字通り、7月9日以降は再入国許可を得ずとも、外国人が日本から出国しても一定期間(1年若しくは2年)内であれば再入国が可能になります。

そこで気をつけていただきたいのが次のようなケース。

(以下、物語調)

在日コリアンで特別永住者のスニは、念願のカナダ留学へ向けて有効期間10年の韓国パスポートを手に関西国際空港で搭乗手続きを行っていた。

留学期間は6ヶ月で、6月30日に日本を発ち年末に帰国する予定だった。

スニは事前に、7月9日からスタートする新しい在留制度によって、それまで必要とされた再入国許可が不要になることを知っていたので、数年前、韓国旅行に行った際に取っていた再入国許可の期限が8月15日となっていることなど気にも留めないでいた。

しかし、いざ出国手続を行ってみると問題が発生した。

搭乗ゲートで入国管理局職員から『あなたは8月15日までに帰国される予定ですか?』と質問されたスニは、『いえ、クリスマス前に日本へ戻る予定です。』と笑顔で答えた。

すると入管職員は、『それでは再入国許可の期限に間に合わないので、再入国許可を取り直してください。』と言ったのだ。

スニは、職員が新人なのかと考えて、『あの~もしかして、みなし再入国制度のこと、ご存知ないのかしら?』と、相手を小バカにしたような口調で嗜めた。

しかし、『ご存知なかった』のはスニの方だったのだ。

みなし再入国制度がスタートするのは7月9日であり、7月9日以降に有効なパスポートと在留カード(若しくは外国人登録カード)を所持する外国人が出国時にその意思を表明して初めてみなし再入国が認められるのである。

スニの勘違いは、『7月9日より前に日本から出国した場合でも、出国の時点で有効な再入国許可を所持し、かつ帰国時(再入国時)に7月9日を過ぎてさえいれば、例え出国中に再入国期限が過ぎてもみなし再入国対象者として無事に帰国できる』と間違って認識していたために生じたのだ。

入国管理局職員の説明を聞くスニの表情は恥ずかしさで真っ赤になっていたが、もしも間違ってそのまま出国してしまっていたら、スニは何らかの方法で日本に戻ることはできたとしても、もう2度と『特別永住者』としての身分を取り戻すことができなかったのであった。

お終い。

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