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飲食業オーナーからの『外国人材雇用』についての切実な要望あり。

留学生として日本滞在中に週28時間以内でアルバイトをしている外国人は相当数に上る。

街を歩いていても、コンビニや飲食店で多くみられる光景として、若い外国人が流ちょうな日本語で応対してくれる様子。

彼らを雇入れている会社や事業者側の話として、留学生活が終わった後もアルバイトから正社員にして雇い続けたいとの要望を沢山聞きます。

ここで生じる問題が大きく2つあります。

1つは、その外国人留学生の学歴で、例えば本国で大学を卒業した後に日本へ留学し日本語学校で学んでいるのか?それとも高卒者なのかによって、その方の日本での就労の可否が問われることとなる。

もう一つは、雇入れる側がその外国人のスキル(大学や専門学校での専攻科目)にあった職務内容を用意できるかの問題。

一つ例を挙げるとこんなことがありました。

ベトナムで高校を卒業して日本の専門学校で学んだ若者を雇入れたいと企業の人事担当者から依頼を受けました。

企業側では実際にベトナムとの取引もありそのベトナム人を<通訳・翻訳担当者>として正社員として雇用するとのこと。

当人が日本語学校で学んだのは『日本語・日本文化』について。卒業証書には<専門士>授与の記載もある。

卒業後、その企業で正社員として就労することを理由に在留資格変更(留学→技術・人文知識・国際業務)申請をしたところ、、、、不許可となってしまった。

不許可の理由は、「当人が日本語学校で専攻したのは『日本語・日本文化』についてであり、そこで『翻訳・通訳』を学んだ痕跡が見られない。」との回答であった。

ベトナム語がネイティブで日本語を専攻、日本で2年間住んだキャリアを主張してもこのような判断をされる始末、、、

外国人の日本での就労には高いハードルが横たわっているのだ。

(ちなみに大学卒業者の場合、上記のケースだと就労が認められるケースがありますが、だとしても飲食店内で就労させることはほぼ不可能に近い。)

『永住権』取得と『日本国籍』取得、どちらがいいですか?の質問への回答。

日本に長く暮らす外国人の方から、よくこのような質問を受けます。

Q : 永住権と日本国籍取得、どちらがいいですか?

僕のような3世代も継いで在日コリアンをやっている者からすると、「日本に来て間もないのにそんな簡単に日本の国籍を取る決断が良く出来るな?」と思うのですが、「帰るあてもないのに国籍だけ残しても意味がない。」との至って合理的(?)な考えのようです。

時間的な条件に限って言うと、永住権取得までに要する『10年間』の日本滞在要件に対して、帰化は5年間と、意外に帰化の方が条件が緩いのです。(それぞれ例外(緩和要件)あり。)

ただ、提出書類のボリュームは、帰化は永住権の10倍以上で、それを準備するために相当な労力と時間を要します。

かかる費用も書類のボリュームと比例して帰化申請の方がはるかに高額になります(10倍とまではいきませんが、)。

どちらがいいかと聞かれて最初に僕が話すのは、「日本の国籍を取得することは、すなわち本来の国籍をなくすことですよ!」という説明です。

それを言ってもあまり響く方はいません。何故なら、僕の所へ来る時点までにその辺の気持ちの整理は追えているのだから当然と言えます。

事務所のことを第一に考えると、「永住権を取って、そして帰化しましょう。」と言うべきなのでしょうが、それを言えない性分なもので、、、

国会審議中の新しい在留資格『特定技能』は使えるか?

連日報道をにぎわせる新たな在留制度の目玉、『特定技能』の在留資格はどれだけ使い物になるのか。

人手不足に悩む業界団体の方々は特に気になるところでしょう。

今朝も新聞で大きく取り上げられていますが、4万人規模の外国人材を、この『特定技能』の在留資格で日本に呼び寄せようと政府は考えている模様。

昨日のブログでは『特定技能』の在留資格での外国人採用スキームの見立てをしましたが、「技能実習生」からのスライドではなく、新規の労働力として海外から外国人を『特定技能』の在留資格で調達することを想定しているとすれば、一体全体、法務省がどのようなルール作りを考えているのか想像もつかない。

一定の日本語能力と、試験において一定のスキルを測定すると言うが、その試験は誰が、どこで、どのような方法で実施するのか等、疑問が多い。

来年4月に施行するというが、上記の能力やスキルの測定方法をそれまで十分に構築することは現実的に可能なのでしょうか?

それよりももっと気にかかるのは、稚拙な制度設計に基づいて日本で就労することとなる外国人材の日本での安定した生活づくりが見逃されている事実です。

失踪者や自殺者が後を絶たない奴隷ビザと言われる「技能実習制度」の二の舞にならないことを願う。

外国人材雇用の新スキーム。『特定技能』の在留資格創設を前提に。

外国人材受入れのための入管法改正の議論がいつになく盛り上がっています。

トランプ大統領の登場や極右勢力の台頭によって、「移民」への関心が世界中で高まっていることも要因かと思います。

そもそも日本は移民の受け入れを行わないのが前提ですが、これだけ日本社会に多くの外国人が息づいている事実からすると、最早、移民受け入れを云々する議論自体ナンセンスかと思います。

今、国会で審議されているものの中で経済人の多くが関心を寄せているのが『特定技能』なる新たな在留資格の創設についてだと思います。

これは、今まで専門分野でのみ就労を認めていた外国人に単純労働をさせることを事実上認める大改正だと言われています。

※新聞を読む限りこの専門分野の職種を「弁護士」や「医者」と表現しているところも多いですが、貿易会社の翻訳担当者やIT企業のシステムエンジニアも含まれます。

現在までの情報をまとめた結果、僕が想定する外国人材採用の新スキームは、

<パターン1>
3店舗を出店している外食事業がメインの株式会社が『特定技能』の在留資格でホール担当者を調達する方法
・SNSや外国人専門情報誌を通じて「技能実習生」に向けて求人広告を打つ
・3年以上日本に滞在した「技能実習生」を採用
・『特定技能1号』の在留資格を取得させて5年間企業で採用・育成
・5年後、『特定技能2号』へ在留資格を変更させて本国の家族の呼び寄せを推奨(社宅の拡充)
・さらに5年後、日本の『永住権』取得に力を貸してあげ、日本での就労制限から解放してあげる

この『特定技能』の在留資格の出現以前だと、

<パターン2>
・技能実習生受入れのための業界団体(事業協同組合)設立
・組合が「外国人技能実習機構」より受け入れ可能な管理団体としての許可を受ける
・組合へ加盟する企業等が組合から「技能実習生」の派遣を受ける(人数制限あり)
・「技能実習生」を企業にて〝事実上〟就労させ
・5年間の就労後、「技能実習生」は帰国する

いかがでしょうか?
そもそも<パターン2>では、<パターン1>で例示した外食事業をメインとする企業では「技能実習生」の受入自体できないのですが、、、今回の改正が『大改正』と呼ばれる所以です。

日本と韓国の重国籍者が日本国籍を選択する際にとるべき行為について。(韓国の『兵役』についての観点から。)

ご承知の方も多いと思いますが、韓国には兵役制度が存在しています。

徴兵製について詳しいことはここでは割愛しますが、重国籍の年少者(男性に限る)が日本国籍を選択する場合、特に注意が必要です。

日本も韓国もほぼ同様に、一定の年齢に達した時点で、重国籍者はどちらかの国籍を選択することができる旨、国籍法にて規定しています。

ただしかし、男性に限っては注意が必要です。

韓国の国籍法では、その第12条により、『男性の複数国籍者は、18歳になる年の3月31日までに大韓民国の国籍を離脱しなければ、兵役義務を解消(履行)した後にのみ、国籍離脱が可能である』と決まっています。【※注】

日本とは違い男女で国籍についての決まりごとが違っています。

最近、韓国の兵役に関する相談が、在日コリアン・ニューカマー問わず増加していますが、そこには分断国家特有の『徴兵制』の問題が横たわっていることを実感させられます。

韓国の年齢を計算する方法は下の計算式通りです。

【※注】韓国の年齢計算
 現在の年(とし) 生まれた年 + 1
 例えば、2018年現在、1990生まれの人は、
 「2018 - 2000 + 1=19歳」

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