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相続一覧

外国人が日本の役所へ提出した出生・婚姻・死亡等届出書は半永久的に保存されるのだが、大阪市がこれを一部紛失していた件。

僕も含めて日本で生まれた外国籍の人間は、多くは日本の役所へ出生届を行う。

また、結婚した場合も外国人の多くは日本の役所へ届出る。外国人が死んだ場合もしかり。

これは、例えば出生だと産婦人科等で医師が出生届とセットになった出生証明書を交付することから、当然それは日本のものとなっていて、先に日本の役所へそれを提出して、その後「受理証明書」を交付してもらいそれを本国へ報告的届出として申告するのだ。

今朝の朝日新聞朝刊によると、大阪市の役所(天王寺、淀川区を除く)が外国人が行った各種届出書の一部を紛失していたとのこと。

これは、先に説明したように既に本国への報告的届出を行っている場合は良いのだが、それを行っていない方にとってはとても由々しき事態だ。

日本の役所へ提出した届出書の写し(記載事項証明書と言う)を必要とする場面は以外に多い。

韓国への戸籍整理(何度も言いますが今は家族関係登録制度になっていて戸籍は存在しない)や帰化許可申請手続、相続の際の不動産登記、また遺族年金受給の際の親子関係の証明資料等として添付を求めらることがあるから。

役所が紛失したことそれ自体を責める気はないが、特に在日コリアンの場合歴史的経緯から見ても本国に身分登録がないことはいたし方なく(特に朝鮮籍の方は本国に身分登録それ自体がない)、あらゆる場面でもう少し柔軟な対応を希望するのだ。

韓国領事館での出来事。「相続の際に1人の委任状で取れる親族の範囲が狭くなったので気をつけて!」と言われたこと。

領事館へは主に事務員に行ってもらっているので久しく行くことがなかったが、先日、ある夫婦のある手続をフォローするために御堂筋の韓国領事館へ行ってきた。(夫婦で手続に行く時点で「後ろ向きな依頼」であることはお察しください。)

すると、領事館をよく利用する事務所の人間であることを知ってか、職員の方からお題にあるような言葉を投げかけられた。

一体どういうことかと言うと、今まではある方が例えば法定相続人を証明するための身分関係資料として韓国の家族関係証明書等を領事館で入手しようとしたとき、直系尊属、直系卑属、兄弟姉妹まで網羅的に交付されていたのが、7月からは兄弟姉妹については各当事者からの委任状がなければ交付出来ないのだと言う。

「また大阪領事館独自にルールを変えたのか」といぶかった僕は、すかさず担当領事へ質問。

すると、『韓国の憲法裁判所で違憲決定が出た』のだと言うではないか。

さっそく調べてみると領事の言う通り。

これにより、これまでにも増して領事館での書類の入手が困難になってしまうことになる。

※興味のある方は下記リンクから内容を見られます。(ハングルですが、、)

법률신문<형제자매에까지 가족관계증명서 발급 허용은 위헌!>

年金事務所に物申す!

つい最近、亡くなった母の未支給年金の受け取り手続で年金事務所とやり取りをした。

以前、年金事務所での相続絡みの相談があって、「亡き父との親子関係の証明書類として韓国の家族関係証明書を出せと言われた」と言っていた在日コリアン(特別永住者)の言葉を思い出し、日本の役所から取り寄せた『出生届記載事項証明書』を提出した。
すると案の定、「お母様との親子関係の証明書類として韓国の家族関係証明書を提出してください」と言うではないか。

僕は次の『事実』を年金事務所の職員に伝えて、後日了解を得た。
在日コリアン(特別永住者)である私は日本で生まれ育った
在日コリアン(特別永住者)はその必要性の無さから本国に身分登録を持たない者が多い
③日本で一番の在日コリアン(特別永住者)密集地域にある今里年金事務所の職員たるもの、上記事実を知らないとは言わせない
④それを承知で韓国の家族関係証明書を一律に要求するのはナンセンスで配慮のかけらもない
『出生届記載事項証明書』は日本の役所が交付した公の証明書類と理解する

聞いてくださった職員の方には大変「耳の痛い意見」であっただろうが、これを機会に在日コリアン(特別永住者)を含めた<すべての市民に優しい年金窓口>となることを期待したい。

(それにしても、最近の僕の口調は職業病なのか言葉に優しさがまったくなくなっていくようで怖い。)

唯一購読していた漫画『特上カバチ?』が最終回を迎えたこと。

昔から漫画雑誌を購読する習慣は無いが、『ナニワ金融道』以来、故青木雄二氏とその弟子達から生まれた作品はコミック本で読んできた。

特に、僕の職業である行政書士を取り上げた『カバチシリーズ』は僕の愛読書でもあった。

多少話に『盛られている』部分はあると思うが、基本的には行政書士業務及びそれに付帯する関連業務がストーリーの主体となっていて掛け値なしに面白い。

正直、依頼者からの相談を解決するヒントを『カバチシリーズ』や『ナニワ金融道』から引っ張り出してきたことも一度や二度ではない。

数日前のブログで紹介した通り、ここ最近は相続など人の死に関連する仕事の依頼が多かったが、おととい読んだコミックの最終話も交通事故の遺児とそのお祖父さんの相続に関する話だった。

最後に感動的なストーリー且つハッピーエンドで終わらせてくれた作者にお疲れ様の言葉と『長い間ありがとう!』と言いたくなった。

この漫画のおかげで我々行政書士のネームバリューが飛躍的に向上したことに間違いは無く、僕も漫画の登場人物のように『人情味あふれる仕事』を続けていけたらなと思う今日この頃であった。

お終い。

※ちなみに、すでに『カバチタレ3』の連載が始まっているらしい。

遺産相続について、昔バイト先の焼肉屋店主から受けた質問を思い出したこと。

高校時代、過酷な練習に挫折してクラブ活動を辞めた僕は、好きなバイクを買うためにせっせとバイトをしていた。

たぶん10以上は軽く超える色々な業種を、バイトを通じて経験したと思う。

面白かったバイトといえば祭りの露天(テキヤ)だ。

当時、大人の世界はバブルの全盛期。1個500円のサザエが飛ぶように売れていた。

もちろん支払いは全て1万円札。

一緒にバイトしていた友人の中にはそのお釣りをちょろまかしていた人間もいたと後で知った。

バイトの中で一番長く続いたのが焼肉のメッカ大阪鶴橋にある焼肉店だ。

当時、その店で一緒に働いていたお姉さん(たぶん20代後半くらいのとても綺麗な方)の存在が僕をその店に留めさせたことは言うまでもない。 (イヤだったのは、パチンコで勝った友人がその店に食べに来ること。学生服で生ビールまで注文するとは、、、)

その店の店主はガツガツの商売人気質で、幼かった僕も学ぶことが多かった。

空きの時間には社会勉強じみた話もしてくれていたように記憶している。

印象に残っているのは、『お前の親父が死んで沢山の借金を残したとしたらお前ならどうする?』と唐突に聞かれたこと。

そのとき、僕の隣には大学生の男性アルバイトも一緒に居た。

僕は開口一番、『そんなもの払う必要は無いんじゃないですか。親父の尻拭いを何で子どもがするんですか?』みたいな返事をした。

一方、隣の大学生は少し考えて、『自分が背負って払っていかなければいけないと思います。』と僕とは正反対の回答。

二人の答えを聞いた店主は、なにやら納得いったという顔でニヤニヤしていた。

父親のいなかった僕は、どうしてその大学生がそんなことを言ったのか全く理解できなかった。

イヤ、父親がいようがいまいが、やはり当時の僕が浅はかだったのかとも思う。

まかりなりにも少しばかり法律を学んだ今同じ質問をされたとしても、当時と答えは変わらないのだが。

遺産相続には『放棄』や『限定承認(プラスの財産の範囲でのみマイナスの財産を受継ぐこと)』が認められています。

あなたなら店主の質問にどう答えますか?

お終い。

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