戸籍・住民登録一覧
相続人調査の限界について。
- 2023.06.27(火)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 帰化申請業務関連 , 戸籍・住民登録 , 相続・遺言
弁護士からの依頼で亡くなった元在日コリアンの相続人調べの依頼が来ました。
純粋な日本の方と違って帰化した在日コリアンの相続書類の収集は困難を極めます。
それも相続人の協力を得られない今回のような場合は、相続人探しを諦めないといけないケースさえあります。
亡くなった時点では日本人ですが帰化する以前は韓国籍だったため、日本の戸籍に記載されるのは限られた親族になることもあります。
今回もまさに子どもたちが独立した後、配偶者は韓国籍のままで単身で帰化された女性の事案でした。
配偶者はすでに他界していて相続人である子どもたちの名前すらわからない状況。
手掛かりを見つける方法として、弁護士会経由で外国人登録原票の請求からやってみることを提案しましたが、その後不在者財産管理人を選任して遺産分割協議をするまでの道のりは長いです。
在日コリアン同士の日本での離婚届は日本国内ては有効なものとされる?
- 2023.05.18(木)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 帰化申請業務関連 , 戸籍・住民登録
帰化申請の際、日本で婚姻・離婚を経た方のケーズで、『2004年9月20日』以降の日本の役所での協議離婚届出がどのように扱われるのかについて、僕が誤解していた部分が有りましたので報告します。
このブログでも何度も取り上げた『在日コリアン夫婦の2004年9月20日以降の離婚問題』です。
本国においてはそれが認められないのは確かなのですが、帰化の際、日本の役所での協議離婚届出については有効なものとし、例え韓国の家族関係登録簿に婚姻中となっていても帰化後の日本の戸籍では独身として登載されるとのことです。
とても違和感を感じるし、相続が発生した場合韓国に財産があればどのように扱われるかなど疑問は尽きませんが、上記のようになることで救済される女性も多いでしょうから喜ぶべき措置だと思いました。
離婚したはずの夫を追って。在日コリアン『元朝鮮籍』女性の憂鬱。
- 2023.05.02(火)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録
昨日のブログの反響(?)がよかったので元朝鮮国籍者のバージョンでもう一度。
表にすると依頼者の家族構成と国籍、日本の役所への各届出は下記のとおり。
離婚後2人の子どもを育てる金○○は、成人した長男の韓国パスポートを取るために当事務所を訪れました。
そのためにやることは、①元夫の韓国身分登録、②自身と元夫の婚姻届出、そして③長男(④ついでに二男も)の出生届出、最後に⑤自身と元夫の離婚届出をそれぞれ韓国に報告(申告)して身分関係を整理する手続。
ここで問題になってくるのは①と⑤です。
①は元夫の積極的な協力が無ければできません。しかし、これを飛ばして②~④へ進む方法はあります(当事務所へ依頼された場合教えます)。
そして問題の⑤です。2006年に揉めに揉めた挙句やっとの思いで成し遂げた離婚。
表にあるように2000年の結婚当時も2006年の離婚のときも夫婦はともに『朝鮮籍』でした。要するに韓国に身分登録が無い状態。日本の役所が言うように韓国領事館へ行ったところで互いに身分登録も無く結婚も離婚できませんでした。このような夫婦の場合は便宜上日本の役所では離婚の届出を受理してくれています(現在も同じ)。
がしかし、だからと言って上の図のように②結婚→③・④出産→⑤離婚と順を追って韓国へ報告(申告)しようとする場合、⑤は韓国では認められません。前のブログで書いたとおりです。
依頼者が取れる方法としては、
⑴元夫にお願いして①~⑤の手続きを滞りなく終わらせるか、
⑵元夫の存在は無視して長男のパスポートの取得のみを終わらせる
かのどちらかになります。
もし⑵を選択した場合、この方の「再婚」の道は絶たれてしましますが、、、
離婚したはずの夫を追って。在日コリアン女性の憂鬱。
- 2023.05.01(月)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 帰化申請業務関連 , 戸籍・住民登録
このブログでは何度も紹介していますが、いまだに知らない人があとを絶たないので物語調でまとめてみました。
ある在日コリアン女性が日本国籍を取ろうと僕にオファーをくれました。帰化申請手続の依頼です。
親族表を作ろうとその方の身分関係について質問していると、過去に在日コリアンの男性と結婚していたが離婚したとのこと。すかさず僕は『その離婚届はいつ、どこで出しましたか?』と畳み込むように質問。
「確か10年くらい前に〇〇区役所に出しました」との回答を聞いて、『その離婚は成立していませんよ』と答える。
2004年9月20日以降に日本の役所へ出した協議離婚届は韓国では有効な離婚とみなされないルールとなっており、その女性は日本国籍取得のために『顔も見たくない“元夫”』を連れ立って領事館に2回も行かないといけない羽目になってしまったのです。
ちなみにこれは元朝鮮国籍者にも求められる要件で、在日コリアン夫婦(離婚予備軍に限りますが、、、)は要注意です!
在日コリアンが婚姻届をする際、「本国の独身証明書を持参するよう」に言われたらどうする④
- 2023.02.24(金)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録
役所の職員いわく「あなた達夫婦が婚姻中であること証明する書類を持参してもらわないと『夫・妻』として載せることはできません」と言うのです。
「いやいや、つい先日〇〇市役所で婚姻届を出したばかりで離婚などするわけ無いでしょ!」と言う夫に、「だからそれを証明してもらわないと、、、あなた方は日本人じゃないので日本の戸籍が有りませんからこちらでそれ(離婚していないこと)を確認する方法が無いんですよ」と役所の職員。
ウソのようでホントの話。
事実、役所の人間が言っていることは正しいのです。
在日コリアンとて、何世代にも及んで日本に住んでいたとて、『外国人である』ことは昨日今日日本にやってきた外国人と何ら変わりありません。
『本国のパスポートが無い、ましてや本国に身分登録が無い』なんてあり得ないと考える役人の常識は決して非常識ではないのです。