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VISA・在留資格関連一覧

新しい在留管理制度における再入国許可利用の際に陥りやすいと思われらる落とし穴について。

皆さんもご承知のように、7月9日から新しい在留管理制度がスタートし、これまで在日外国人がその対象とされていた外国人登録法が廃止されます。
それに伴って外国人登録カードも在留カード若しくは特別永住者証明書に書き換えられるコトになります。
本日はその中でも唯一と言っていい外国人の利便性向上が見込まれる<みなし再入国制度>の利用方法とその落とし穴について解説します。
これまで海外に出たコトのある方は経験があると思いますが、外国人が日本から出国しようとすると、その前提として事前の再入国許可の取得が不可欠でした。
万が一再入国許可を取得せずに日本から出国すると、それまで所持していた在留資格を失うコトとなってしまいます。
これはいわゆる在日(特別永住者)もまったく同じで、実際に再入国許可期限に日本へ戻るコトができずに日本での永住者としての権利を失われた方もいらっしゃいます。
この度のみなし再入国制度は、一定の期間内に日本に戻るコトを条件に再入国許可の取得を不要としたものです。
7月9日以降に本制度を利用して出国される方は、有効な旅券と在留カード(現在ご使用中の外国人登録カードも一定期間は在留カードとみなされる)を持って、みなし再入国を利用する旨の意思表示を明確にした上で出国すると、再入国許可無しで無事日本に再入国することが可能です。
では、みなし再入国を利用する意思表示はどのように行えばいいのか?
それは、EDカード(再入国出国記録カード)に表記される『みなし再入国を利用する』欄へのチェックをすることで足ります。
反対に、そこへのチェックが無いとみなし再入国を利用する意思表示をしたコトにはなりません。
ただ心配なのは、以下のようなケースが発生しないかと、、、

【事例1】
在日コリアンのスンテは、サッカー留学でブラジルへ渡航するため、韓国のパスポートと在留カードを持って空港での出国手続きをしていた。
留学の期間が4年だったので、事前に入国管理局で再入国許可もバッチリ取得していた。
20歳になったばかりのスンテは海外へ出るのが始めてだったので、空港での手続きはあまり良く理解していなかった。
スンテが並んだ出国ゲートには、若い入国管理局職員が汗をかきながら対応に当たっていた。
その職員は丁寧なことば使いで案内してくれた。
職員:『再入国希望ですよね?』
スンテ:『はい。』
職員:『では、ここへチェックを入れてください。』
職員の言うがままにスンテは『みなし再入国を希望する』欄へチェックを入れてしまったのだ!
3年後、一時帰国で日本へ戻ったスンテは自らの過ちを知るコトとなるが、時すでに遅しで、スンテは定住者の在留資格で日本へ入国するコトになったのだ。
お終い。

上記のようなコトは実際に起こり得ます。
では、一体何がいけなかったのかと言うと、スンテ自身の”認識不足”と窓口職員の”思い込み”が原因だと思います。
まず、特別永住者の再入国許可の最長期間はこの度の法改正により、それまでの4年から6年に伸長されます。
しかしながら、みなし再入国許可を利用するコトによって、再入国許可が認められる期間は2年となってしまいます。
*注:一般の外国人がみなし再入国許可を認められるのは1年間です。
在日コリアンはじめ特別永住者は、あくまでも自分たちが『外国人』であるコトを強く認識する必要があります。この度の法改正についても、決して他人事ではないのですから。

『仮住民票記載事項通知書』について、事前の告知がチョット足りないんじゃないかと思った件。

このブログを読んでいただいてる方で外国籍の方の自宅に、お住まいの市区町村から『仮住民票記載事項通知書』なるものが郵便で届いていると思いますが。

沢山のクライアントから僕の事務所へ問い合わせがあり、『入管から何か通知が届いている!』と驚かれている様子。

話を聞くと、入管からではなく市役所から届いた『仮住民票の通知と氏名についてのフリガナの確認の書類』のことだ。

必要以上に入管に過敏な方があわてて勘違いするケースが多いようだ。

それにしても、事務所へ来られる多くの外国籍住民の中で、この度の法改正について具体的に認知している人は少ないように感じる。

このブログでも度々取り上げましたが、来る7月9日に改正された『入管法』及び『住民基本台帳法』が施行されます。

それによって、在日外国人のうち中長期在留者(結婚ビザや留学、就労ビザ、永住者、在日コリアンなど)については、日本人と同様に住民票に名前が載ることになります。

今回送られてきた『仮住民票記載事項通知書』は、住民票に記載される氏名などを事前に確認するために役所が該当世帯へ送付したものです。

役所から返送をお願いする旨の文言が書いてあるように、放っておいてもペナルティーはありません。

しかし、2009年の改正法の公布から3年が経過していよいよ施行となりますが、その間の事前告知は思いのほか効果が無かったように思います。

いまだに、『永住権が無くなるんですか?』や『観光ビザが90日から15日に短縮されるのは本当ですか?』との質問が絶えない。

ニューカマーだけではなく、在日コリアンをはじめとする永住者にとっても今回の改正を知ることは大変重要だと思う。

面倒くさがらず、送付されてきた封書に同封されている『法律改正のお知らせ』くらいは、目を通すことをお勧めします。

日本政府が被災地を訪れることを条件に中国人旅行者への査証(VISA)を発給する特例措置を認める方針を決定した件。

日本政府は、本年7月から中国人旅行者が東日本大震災で被災した東北3県(岩手、宮城、福島)を訪問する場合に限って数字査証(VISA)を発給する特例措置を認める方針を決定しました。

数字査証(VISA)を発給された中国人旅行者は、有効期限内であれば何度でも日本を訪問できるようになります。

訪日外国人のうち1人あたりの消費金額では、ロシア、オーストラリアに次いで3番目にお金を使っているのが中国人観光客との統計が出ていますが、旅行者数から言って全体的にはダントツ1位なのでしょう。

高い購買力を持つ中国人観光客を被災地に誘致し、復興支援につなげるのが狙いでしょう。

この度の特例措置は、岩手、宮城、福島のいずれかに1泊以上することが条件(旅行業者の証明等が必要となる)。

対象は個人旅行で、3年間有効な査証(VISA)が発給される予定とのこと。

特例措置は、昨年7月に沖縄県を対象にスタートしましたが、それによる効果が大きかったことを踏まえて(沖縄を訪れる旅行客が急増した)、被災地への復興も期待した適応となったのでしょう。

日本は、2011年5月の時点で、世界61ヵ国・地域に対して査証免除措置を実施しています。

アメリカや韓国、シンガポールやオーストラリア等の諸国ですが、中国は含まれていません。

そのため、中国人が日本へ入国するためには、在外公館(中国国内にある日本大使館や領事館)で査証(VISA)の事前発給手続を行なう必要があるのです。

ちなみに韓国と日本とは、2006年3月1日以降、観光等を目的とする『短期滞在査証』免除措置を期間限定なしに相互に実施することを決定していますので、韓国人が日本へ来るとき及び日本人が韓国へ行くときには、基本的にはパスポートを所持している方が航空チケットさえ手に入れることができれば明日にでも渡航できるのです。

不法就労助長の罪。

先日、ある方の紹介でこられた永住権を持つ中小企業の社長さん。

何でも、知らずに雇っていたオーバーステイの外国人の調査で社長自身が警察及び入国管理局の捜査の網に引っかかってしまったらしい。

入管法により、就労ができない外国人を雇った者は3年以下の懲役刑(プラス300万円以下の罰金刑)などに科されることとなるが、その社長は外国人であるがため、自分自身が退去強制事由(日本からの国外退去)に該当してしまって違反調査の上、口頭審理まで終えてるとのことだった。

幸い、既に永住権を取得されていて法務大臣(地方入管長)の裁決まで進むことにより、在留特別許可が出ることはほぼ間違いないようだが。

その社長もそうだが、特に外国人を雇う際に注意すべきは、その外国人が就労可能な者であるかどうかの判断である。

外国人登録証明書や必要によっては本人からの委任により雇い主自身が登録原票記載事項証明書の交付を受けて事前に確認することをお勧めします。(外登証は偽造されたものも出まわっているので)

また、本年7月9日から始まる新しい在留管理制度により登場する『在留カード』には、就労可能かどうかがよりわかり易く表示されるようなので雇う側にとっては有益である。

それにしても、日本で30年以上居住されていた相談者の社長さんが、在留特別許可によりまた一から在留資格を積み上げなければならない事実に、非常にもったいないことをしたと悔やまれていたのが印象に残った。

不法就労助長の罪は、日本人が受ける可能性のある罰(懲役刑と罰金刑)と同じ罪でも外国人が受ける可能性のある罰(懲役刑と罰金刑と強制退去)とでは雲泥の差があり、外国人雇用主は特に注意を要するのだ。

以下、参考条文。

入管難民法
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する外国人については、次章に規定する手続により、本邦からの退去を強制することができる。
三の四 次のイからハまでに掲げるいずれかの行為を行い、唆し、又はこれを助けた者
イ 事業活動に関し、外国人に不法就労活動をさせること。
ロ 外国人に不法就労活動をさせるためにこれを自己の支配下に置くこと。
ハ 業として、外国人に不法就労活動をさせる行為又はロに規定する行為に関しあつせんすること。

7月9日に向けて。⑤

このシリーズの③で紹介した『みなし再入国制度』における素朴な疑問について。

文字通り、7月9日以降は再入国許可を得ずとも、外国人が日本から出国しても一定期間(1年若しくは2年)内であれば再入国が可能になります。

そこで気をつけていただきたいのが次のようなケース。

(以下、物語調)

在日コリアンで特別永住者のスニは、念願のカナダ留学へ向けて有効期間10年の韓国パスポートを手に関西国際空港で搭乗手続きを行っていた。

留学期間は6ヶ月で、6月30日に日本を発ち年末に帰国する予定だった。

スニは事前に、7月9日からスタートする新しい在留制度によって、それまで必要とされた再入国許可が不要になることを知っていたので、数年前、韓国旅行に行った際に取っていた再入国許可の期限が8月15日となっていることなど気にも留めないでいた。

しかし、いざ出国手続を行ってみると問題が発生した。

搭乗ゲートで入国管理局職員から『あなたは8月15日までに帰国される予定ですか?』と質問されたスニは、『いえ、クリスマス前に日本へ戻る予定です。』と笑顔で答えた。

すると入管職員は、『それでは再入国許可の期限に間に合わないので、再入国許可を取り直してください。』と言ったのだ。

スニは、職員が新人なのかと考えて、『あの~もしかして、みなし再入国制度のこと、ご存知ないのかしら?』と、相手を小バカにしたような口調で嗜めた。

しかし、『ご存知なかった』のはスニの方だったのだ。

みなし再入国制度がスタートするのは7月9日であり、7月9日以降に有効なパスポートと在留カード(若しくは外国人登録カード)を所持する外国人が出国時にその意思を表明して初めてみなし再入国が認められるのである。

スニの勘違いは、『7月9日より前に日本から出国した場合でも、出国の時点で有効な再入国許可を所持し、かつ帰国時(再入国時)に7月9日を過ぎてさえいれば、例え出国中に再入国期限が過ぎてもみなし再入国対象者として無事に帰国できる』と間違って認識していたために生じたのだ。

入国管理局職員の説明を聞くスニの表情は恥ずかしさで真っ赤になっていたが、もしも間違ってそのまま出国してしまっていたら、スニは何らかの方法で日本に戻ることはできたとしても、もう2度と『特別永住者』としての身分を取り戻すことができなかったのであった。

お終い。

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