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『レッド・ファミリー』
- 2015.05.03(日)
- VISA・在留資格関連 , 入国管理局情報 , 在留特別許可 , 日本語
日本の入管法では、「日本国又は日本国以外の国の法令に違反して、1年以上の懲役若しくは禁錮又はこれらに相当する刑に処せられたことのある者。」を永久上陸拒否者として日本への入国を認めない。
これは日本の他の法令と意を異にしていて、執行猶予付判決を受けて猶予期間が経過しても「刑に処せられた事実」をもって永久上陸拒否者の立場は免れない非常に厳しい規定なのだ。
連休初日の昨日、懲役2年6月の執行猶予付判決を受け、その後の裁判でも日本での在留を認められず、2年半もの間日本にいる我が子に会いに来ることができなかった外国人父の上陸(入国)を認めるとの嬉しい便りが届いた。
弁護士から回ってきた事件で、僕の見立てでは5年若しくはそれ以上の時間がかかると思われた。
依頼者へもそう伝えていたので、依頼者(妻)はもちろん僕自身も本当に驚いた。
(日本にいる幼い子のことを思って誠心誠意・心血注いで陳述書を書いたのが報われたのだと思いたい。)
依頼者と僕の誠意がどのように評価されたかは不明だが、親子がバラバラに暮らす悲劇を2年半という時間で止めてくれた入国管理局の英断に心から感謝したい。
偶然にも昨日見た『レッド・ファミリー』と言う韓国映画も家族の絆について問う内容だった。
家庭を守るため、「嫁と子どもと自身の命(健康)はくれぐれも大切にしなければ!」と、この2つの出来事から再度思い知らされたのでした。
お終い。
書籍「外国人住民票の創設と渉外家族法実務」が指摘していた問題点が現実化していることについて。
- 2015.04.25(土)
- 国籍・家族関係登録(戸籍) , 戸籍・住民登録 , 日本語
2012年7月9日に廃止となった外国人登録法に代わって現在外国人住民制度が存在する。
外登法廃止に先立って、日本司法書士会連合会「外国人住民票」検討委員会が編者となって上記の書籍が発行された。
※Amazon購入サイトは⇒ここから。
外国人登録原票に変わり外国人住民票となった際に想定される諸問題点を司法書士の目線から追った専門書だ。
この本で指摘されていた「外国人住民票の欠陥」が顕著になりかけている、そんな相談を先日受けた。
ある方が所持する国家資格(例えば宅地建物取引士としましょう。)を更新をしようとしたところ、身分確認のために提示した外国人住民票の『国籍・地域』欄が韓国となっていたためストップがかかった。
何故なら、その方は2013年に韓国領事館で在外国民登録をして日本の住民票上の国籍をそれまでの『朝鮮』から『韓国』へ変更していたからだ。
宅地建物取引士登録では国籍が『朝鮮』のままになっており、当然に『朝鮮』⇒『韓国』となった沿革について疎明資料を求められた。
以前の外国人登録の時であれば本人が役所で登録原票記載事項証明書を取れば一目瞭然だったろう。
また、外国人登録原票は1946.12.9の法施行後、廃棄・削除されることなく全ての記録をたどることができた代物だ。
これに対して住民基本台帳の保存期間は削除されてから5年間とすこぶる短い。
例えば、
<外国人が他の市区町村へ転出した場合、転出前の市区町村の住民票は5年経過すれば削除され、前々住所を確認できない。>
また
<氏名変更や住所移転の履歴も確認できない>
のだ。 ※<>内は書籍からの引用。
幸い、今回の相談者が国籍を『韓国』に変更したのが約2年前だったので事なきを得たのだが、5年後、10年後にこのような『外国人が自身の身分登録事項の変更の沿革』を疎明しようとしたとき、日本司法書士会連合会が指摘した問題点がいよいよ現実化することになるだろう。
PS:本年4月1日から『宅地建物取引主任者』は『宅地建物取引士』とその呼び名が変わりました。
ショック!長年愛用した入管業務用ソフトウエアのサポートが終わること。
クリックスと言う会社が提供していた行政書士業務用ソフト『許認可プロ④【入国管理】』のサポート及びバージョンアップが終了する。
1999年6月発売から16年間愛用されたソフトで僕はほぼ毎日起動して使い続けてきた。
今のところこれに代わるモノを見つけられていないが、この4月に変更になった様式が最後のバージョンアップになるとのことで今後の対処に悩んでいる。
正直今はエクセルで申請書がダウンロード可となっており、このソフトを使っている行政書士も少数なのか?
増加する外国人に比例して入管業務は当面減ることは無いと思うのでクリックス社にはもう少し健闘してほしかったが仕方がない。
当面はこれ以上法改正やそれにともなう様式変更が行われないことを祈るしかない。
在留カードと特別永住者証明書の漢字氏名表記について~その2~
- 2015.04.21(火)
- 入国管理局情報
~前の投稿からの続き~
僕の2つの質問に対しての回答は以下の通りでした。
⇒施行規則19条の7は『漢字圏の国の方の申し出に対して仮名・カタカナ氏名を≪表記することができる≫のであって≪しなければならない≫とはなっていません。現在の運用では漢字氏名がある方の申し出に対して仮名・カタカナでの氏名表記は行っていません。」
>ごもっとも!
次に一番気になる『名前に漢字の無い韓国人の仮名・カタカナ表記の可否』については、
⇒これまでは孫さん(僕のこと)のおっしゃる通り、名前に漢字を使用しない韓国籍の方、例えば『金ヨナ(김연아)』さんと言う方がいた場合に、在留カードには英文表記のみ可能でした。しかし、これは本当に嘘のように聞こえるかも知れませんが、孫さんから電話をいただいたまさにその日に運用が変わって今後はそのような方(名前に漢字を使用しない韓国籍の方)からの申し出があった場合でも仮名・カタカナ名を表記することになりました。
>本当にすごいタイミングで電話したものだ。
要約すると、
前述の『金ヨナ(김연아)』さんの場合、これまでは在留カードに『KIM YEONA』と英文氏名しか載せてもらえまえんでしたが、今日からは『KIM YEONA 金ヨナ』と漢字(仮名・カタカナ)氏名の併記が可能となりました。
ちなみにこれは外国人登録証を持っていない外国人についての話。(新規入国者や新たに生まれた赤ちゃんのこと。)外登証を既に持っていてそこに漢字や仮名・カタカナ氏名の表記がある方についてはそのまま載せてもらえますので混同しないように!
在留カードと特別永住者証明書の漢字氏名表記について~その1~
2012年7月9日から日本に住む外国人が所持していた外国人登録証が在留カード・特別永住者証明書にそれぞれ変更となった。
今年の7月にはいよいよ在日コリアンら特別永住者についても外国人登録証のみなし部分が終わり、有効期限(正確には切替期限)が過ぎたものは7月8日までに切替申請をしなければならない。
本日のブログでは、おさらいも含めて新しく交付される特別永住者証明書の氏名表記について情報提供を行おうと思う。
あることがきっかけで入管法について調べていたこところ、その施行規則19条の7の条文に目が止まった。
その内容は「漢字圏の国の外国人が申し出た場合、カードには英文氏名とともに漢字若しくは仮名・カタカナでの氏名表記が可能であること。またその申し出の際には証明する資料の提示が必要である。」と言うもの。
気になったので早速入管へ問い合わせてみた。
「条文を読む限りでは漢字氏名が確認できれば希望により仮名での表記も可能と理解するが如何か?」との僕の問いに女性職員は丁寧に「調べてから電話いたします。」との返事。
ついでに、それまでとても不便に感じていたある取り扱いについて重ねて質問してみた。
「例えば韓国籍の『金ヨナ』さんがいたとして、この方の名前は漢字が無い。韓国では最近このように名前に漢字を使わない方が増えているが、これまではそのような場合は全て英文表記しかしてくれなかった。今後もその取り扱いに変更はないか?」
この2つの質問につい先ほどまたしても丁寧な回答が寄せられたのであった。
?時間がないので『その2』に続く?