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法定相続人探し。これも、亡くなった方の国籍が韓国国籍か日本国籍かの問題に繋がります。
相続の依頼は絶えませんが、「被相続人(亡くなった方)の国籍法」によって相続が始まるのは、先のブログ(ケーススタディ)でお伝えした通りです。
今回も日本の法律によっては不要な、「被相続人より先に亡くなった子ども」の「その配偶者」の日本の戸籍謄本の捜索の仕事です。
共同相続人(遺産をもらえる親族)の話によると、「その配偶者」はすでに他界しているとのこと。
しかし、それを証明するための戸籍を取ろうとしてもいかんせん「その配偶者」の手がかりになるものが何もありません。
何とか婚姻届の日と出した役所まで判明したので、「婚姻届記載事項証明書」が手に入れば何とかなるところまでたどり着きました。
しかし、この「記載事項証明書」を取るのが相当厄介です。
もともとは届け出た役所に保管してあるのもが時間がたつと法務局へ移されます。
当たって砕けろで行ってはみたところ、「特別な理由には当たらないので出せません。」の一点張り。当たって砕けました。
そこで思い至ったのは、今回のケースのように不動産の相続のために善良な市民が全力で動いているにも関わらず、『相続登記を放置したら罰するぞ!』と新しいルールまで作って 所有者不明土地の削減を 目指している法務局自らが、そのお役所仕事によって削減どころか増やしてしまう行為を助長している事実 が横たわっていること。
ちなみに今回のようなやり取りでいつも腹が立つのは、こちらが説明する前から「お前ごときには出さん!」とする公務員の姿勢。そんな時の僕の捨て台詞は決まっています。
「あんたら頑張るとこ、間違ってるで。」
特定技能2号への挑戦、所属機関(働いている会社)の協力は不可欠です。
- 2024.11.01(金)
- VISA・在留資格関連 , 入国管理局情報 , 特定技能
技能実習のビザと違って転職が認められている特定技能のビザは、そのとおり転職をする外国人が多いと感じます。
他の就労ビザと違って転職する度にビザの変更手続きしなければならないので手間がかかり、その都度会社の助けが必要なのも大変です。
これまで特定技能1号では最長1年しか認められていなかった在留期間が3年に延びたことと、日本での滞在期間が永住権に含まれるようになった特定技能2号へステップアップすには、特定技能1号で少なくとも2年経過すればチャレンジ可能です。
2019年から始まったこの制度ですので、すでに2年が経過している外国人も多いことでしょう。だったらすぐにでも2号へ、と考えている方が直面するのが<所属先から在職証明をもらう問題>です。
特に転職している外国人がすでに辞めた会社や店のオーナーから<管理する立場にあったことの在職証明書>を入手するのは至難の技。
新天地で2年を待つか、1号を5年続けるしか道がありません。
とにかくこの特定技能のビザは、外国人本人にも雇っている会社や個人にも、はたまた審査する入国管理局側にさえ、負担の大きいビザであるのです。
もう少し簡素化されることを願うばかりです。
辻調など、調理師専門学校卒業生の日本での就労ビザ取得の困難(学校では教えてくれない卒業後のその先)。
- 2024.10.31(木)
- VISA・在留資格関連
辻調と言えば料理人を目指す者にとっては是非学びたい場所ではないでしょうか。
それは日本にいる若者に限らず韓国など海外でもその名を轟かせています。
夢を抱いて留学にやってくる者も多く、日本で学び日本の料理界へと旅立とうと目標を掲げていることでしょう。
しかし、卒業を前にして現実を思い知らされる者が後を絶ちません。
そうして僕の事務所へたどり着いた若者たちは、料理人の道を諦め、ホワイトワーカーとして「技術・人文知識・国際業務」の在留資格取得へ向けてVISAの申請準備をするか、自身で開業して「経営・管理」の在留資格を選択するか、最悪、「特定技能」の在留資格で不本意な就労状況のもと、5年間を過ごすかの選択を迫られています。
いつも思うのは、どうして学校側は入学の時に卒業後の在留資格について丁寧に説明してあげないのかとの疑問。
彼らが何を夢見て日本に学びに来ているかを知らないはずは無いのに、、、
日本の専門学校を卒業してビザの問題で悩んでいる方は是非専門家のもとを訪ねるようにしてください。
ちなみに、「経営・管理」の在留資格で飲食店を開業しても、厨房で調理をすることはできませんので注意が必要です。
在日コリアンの相続。韓国/朝鮮籍者のケーススタディー(韓国法と日本法の違いについて)。
以前、私の依頼者でこんなことがありました。
亡くなったのは日本に帰化した在日2世の男性。
子どもがいないため日本人の妻との二人世帯で、苦労を掛けた妻に全ての財産を残したいと生前より話していたとのこと。
日本に帰化したのも「相続の際にスムーズに妻に全ての財産が渡るように」との意図だったと言っていたのですが、、、これがとんでもない結果を招く事態に。
前のブログで言ったとおり、相続は亡くなった方の本国法で開始されます。
遺言を書いていなかったこの男性のケースでは、日本法が適用され、法定相続人は妻と第三順位の兄弟姉妹になります。
若しこの方が帰化をしていなければ韓国法で相続が開始となります。日本法と違い、妻がいる場合は妻の単独相続となってました。
この方が「相続の際にスムーズに妻に全ての財産が渡るように」日本に帰化したにも関わらず、その意思は叶わなかったのです。これは男性の初歩的な勘違いであったと推察できます。生前奥様へ「日本に帰化したので韓国の家族とは完全に縁が切れた!」と言っていたそうですが、国籍を変えたからと言って家族関係が変化する訳ではありません。
周囲は何度も「遺言書を書いておくように」助言していたようですが、本人の思い違いが強く、一向に遺言書を書かなかったことが致命的な失敗。
このように意図せず相続財産が分散されるケース、それも今回のように譲りたくもない相手に行ってしまうケースが後を絶ちません(ちなみに今回のケースは兄弟姉妹が全て韓国に居て、その行方も分からないので残された妻は相当な困難を強いられました)。
人生最後の意思表示は、残された者のためにも明確にすることをお勧めする限りです、、、
知っていますか?相続は基本的に亡くなった方の国籍法で進められることを。知らない人が多いのでブログをとおしてご案内(在日コリアン、韓国/朝鮮籍者のケーススタディー)。
- 2024.10.30(水)
- 相続・遺言
韓国籍の方で在日1世、2世の方が高齢化、他界されて相続事案となる相談が増加しています。
亡くなられた方が帰化している場合、日本の法律によって相続が開始され、帰化されていなくて、「韓国籍」や「朝鮮籍」のままだとその国の法律により相続が開始されるルールとなっています。
しかし、「朝鮮籍」の方の場合、①動産・不動産ともに日本に存在し、②最後の住所地が日本にあると、相続は日本法で開始されます。
「韓国籍」の方の場合も、遺言により「日本法で相続する」と指定すると、日本法で相続が開始されます。
ちなみに亡くなった方が「朝鮮籍」の場合、住民票の国籍欄が「朝鮮」となっているからと言って一概に「朝鮮籍」と判断される訳ではありませんので注意が必要です。
韓国法で相続が開始されると、相続順位や相続分(相続人の取り分)で日本法と違っているところがありますので、財産を沢山お持ちの在日コリアンの高齢者には遺言書による意思表示をされることをお勧めしています。
韓国法と日本法の違いについてはまた次回に。